野菜生活

新鮮お野菜王国のマーチ

「神がトランプを作った」トランプのプロモーション映像(全文書き起こしと翻訳)

はじめに 「神がトランプを作った(GOD MADE TRUMP)」は、2024年1月6日にドナルド・トランプが共有した選挙プロモーションです*1。 平時のプロモーションよりも話題になりましたし、宗教国家としてのアメリカの姿が(ジョーク交じりとはいえ)分かりやすく…

『さよなら絵梨』のねじが回転する

「ねじをもう一回転させる(Give the effect another turn of screw)」はとある大昔のホラー小説に登場する言い回しで、「物語をさらに複雑化させる」ことを指している*1。 "I quite agree—in regard to Griffin's ghost, or whatever it was—that its appear…

存在しない命の価値とは?(翻訳)

How do you value a life not yet lived? 1852年のこと。コーサ戦争*1に向けて部隊を輸送していた軽巡洋艦バーケンヘッド号*2は、現在の南アフリカ近海で岩礁と激突した。兵士たちは速やかに船尾に集まり、乗り合わせた女性と子供たちは舷に置かれた小舟に乗…

小舟でアラスカに逃れたロシアの徴兵拒否者

ウクライナでの戦いから逃れるため、セルゲイとマクシムは軍の哨戒を躱して嵐に立ち向かった。 風が勢いを増すごとに、セルゲイとマクシムは海の様子を神経質に眺めやった。シベリア沿岸の故郷を離れ、小さな船外機ひとつで動くマクシムの狭い釣り船でベーリ…

イギリスで起きている言論の自由の危機(翻訳)

誰かを不快にさせるのが犯罪なら 時々、トム・ムーア大尉*1の人気ぶりは熱にうなされた夢のようだったと思う。2020年の3月にイギリスでロックダウンが始まった時、第二次大戦を戦った99歳の退役軍人は自宅の庭を歩行器で往復しながら、NHS(国民保健サービス…

ワールドカップは金の無駄(翻訳)

サッカーファンがカタールをケチだと非難することはないでしょう。男子サッカーW杯の開催権を勝ち取って以来、このアラブの国は12年間で3000億ドルを費やしています。大会から国家経済に返ってくると見込まれる金額は、たったの170億ドルなのに。どんちゃん…

「何歳からウクライナに連れて行かれるの?」 戦争がロシア人エリートを追い詰める(翻訳)

匿名寄稿者 家庭教師は混迷の国に別れを告げる 9月下旬のこと。ウラジーミル・プーチンが全国的な動員令を出して間もない頃、14歳になった教え子が父親に尋ねているのを偶然耳にしました。不安げな様子で「何歳になったらウクライナに連れて行かれるの?」と…

空軍楽団、マザー・グース、検閲

グレン・ミラーは100年ほど前に人気を博したトロンボーン奏者です。 『ムーンライト・セレナーデ』などを作曲して名声を得たのち、米国陸軍に入隊して第二次大戦に従軍しました。終戦の直前、乗っていた航空機とともに英仏海峡で消息を絶っています。 ところ…

ロシア人エリートは休暇の過ごし方に悩む(翻訳)

匿名寄稿者 先日あったことですが、トルコか「アジア」で休暇を過ごすのに良い場所を知っているかとボスに尋ねられて、私は少しびっくりしました。今までそのような助言を求められたことはなかったし、一介の英語教師とロシアの裕福な仲買人の生活が重なると…

私は職を失った。ウクライナの真実を伝える仕事を。(翻訳)

By Elena Kostyuchenko戦争が始まった夜は、激しい夢の中にいるようでした。その時、私はタバコを吹かそうとキッチンにいたのです。一緒に暮らしている友人が、キエフが爆撃されていると言い出したので、「誰が?」と彼女に聞き返しました。私はモスクワのノ…

ロシア人エリートは戦争に関心を持たない(翻訳)

匿名寄稿者 ロシア人の実業家たちについて、彼らの子女を教育しながら気付いたことですが、実業家という人種は多くを語りません。ある家族とひと夏を過ごしたのに、雇い主の職業が最後まで分からなかったことがありました。ほとんどのことは、古めかしく無愛…

戦時下のロシア人たち(翻訳)

四月のはじめ、ウラジーミル・ジリノフスキー――極右*1のポピュリストであり、過去20年間にわたってロシア政府の主要なポストにあった75歳の遺体が、モスクワ中心部にある円柱の間*2に運ばれ、人々が弔問に訪れた。69年前にはスターリンが同じ場所に横たわり…

Wikipediaで「一覧」を含む興味を惹かれた記事の一覧

タイトルそのまま。分類は適当です。気が向いたら追加する。 ページ作成日が最新のものからソートして1300件ほど閲覧した上でのリスト。(21年3月13日現在) 言うまでもないことですが、採用基準は独断と偏見です。 国際情勢 独立主張のある地域一覧 - Wikip…

火炎瓶で戦車を燃やすには ウクライナ志願兵と巡る景色(翻訳)

タンクローリーの運転手、機械工、病院経営者は戦いに備える ウクライナの北部、ポーランドとベラルーシの国境に挟まれたリュボームリは、屋根の低い家が集まった小さな街だ。灰色の空の下は曇り模様だった。商店の多くは戦争を理由にシャッターを下ろし、人…

キャンセルの残忍さ(翻訳)

How not to do social change. 数か月前にあるポッドキャスト*1を聴いたことで、以来ずっと悩み続けている。その内容が、カルチャー戦士*2が幅を利かせる現代の本質を突く内容だったからだ。NPRの『目に映らない(Invisibilia)』シリーズはいつも素晴らしい…

良いキャンセル、悪いキャンセル(翻訳)

(注:本文では「コールアウト」となっていますが、日本では「キャンセル」の方が馴染み深いのでタイトルのみそうしました) コールアウトはオンライン文化の大きな特徴だ。しかし、オバマが言ったように、他人の誤りを指摘するのは、ただ自分が気持ち良くな…

ボイコットは有効か?(The Economist)

スポーツ大会のボイコットは、スポーツ自体の歴史と同じくらい古いものです。紀元前332年、アテネは自国選手に八百長疑惑が掛かったことで、オリンピックからの撤退を仄めかしています。近代では、ボイコットは主に政治的な動機から行われます。12月6日、ア…

「反」リベラルな左派が脅威をもたらす(The Economist)

西洋の自由主義は随分おかしくなってしまいました。古典的な自由主義の基本に則るなら、人類の進歩は対話と改革によってもたらされるはずです。分断された世界で危機的状況を乗り切る最良の手段は、個人の尊重、開かれた市場、小さな政府についての普遍的な…

英国の記念硬貨の意匠がクソ適当な話(the Guardian)

よく知られているように、オスカー・ワイルドはこう言ってません*1。曰く、「Goodreadsを引用の出典として信用するな」。王立造幣局がH・G・ウェルズを称える2ポンド記念硬貨を不正確な引用とともに(四本足の火星人*2の意匠付きで)発売した一ヶ月後、今度…

好きな短編小説7つ

中学時代のある日のこと。歴史の教師が自らの好きな本について語ったひとことを、自分は今でも鮮明に覚えている。 「中学生の頃は、海外作家の短編集ばかり読んでいたんですよ」 「分かる!!」寡黙な教室の中でも一際寡黙な人間の中で内なる心はこう叫んだ…

死に際する願い(The Economist)

脳卒中を起こしてからというもの、マリアの父はもはや喋ることもできなくなった。それでも娘は父に言葉を掛け続け、彼は祈り続けた。最後の日には多くの苦しみが訪れたが、息を引き取るとき、彼女の手を握った父は安らぎの中にあったのだとマリアは信じてい…

テレスクリーンと黄色い調べ 『一九八四年』既訳のまちがいについて

ジョージ・オーウェル『1984年』の第一部七章で、テレスクリーンが唐突に歌い出すシーンがある。作中で「黄色い調べ(Yellow Note )」と呼ばれる音楽で、「一風変わった、耳障りでロバの鳴き声を思わせもする聞き手を馬鹿にしたような音調」(高橋和久訳)…

めだかの学校

英語のなぞなぞのひとつに、 Why are fish smart?(魚はどうして頭がいいの) と問いかけるものがある。答えはBecause they are always in schools.(いつも群れになっているから)で、in schools(群れになっている)を「学校にいる」と掛けている。まあ他…

大工よ、屋根の梁を高く上げよ

短編『フラニー』そして中編『ゾーイー』、50年代半ばに発表されたこの著名な連作は、作者の著作の中でもとくに有名で、両者の間に発表された別のグラース家の物語がしばしば霞んでしまうように思える。短編『大工よ、屋根の梁を高く上げよ(Raise High the …

フラニーやんけ

『ライ麦畑でつかまえて』で一躍脚光を浴びたアメリカの作家、J・D・サリンジャーは、当代随一のハイソな雑誌「ニューヨーカー」にて、高額な原稿料と自由で広い紙面、そして親身な編集長を味方につけ、当時の文壇で随一の勢いを誇っていた。50年代半ば、『…

ダァゴナイ

数日前にTwitterで考えていた、100万年に一度だけ夜が訪れる状況の天体というはややめんどくさい。が、二番の歌詞の100万年に一度だけ太陽が昇る日というのは地球のような惑星でも実現可能だ。めちゃくちゃ深い井戸のような穴を掘って公転周期の100万分の1の…

QMAに行かなかった

「なんかクイズゲーってしょぼくね?なんであいつら金払ってクイズ解いてるの?」 QMAに行かなかった。すべてどうでも良くなった。ゲーセンに行かなければQMAってできないんですね。今日はね、ゲーセンに行かなかったんですよ。だからQMAができなかった。仕…

QMAに行かなかった

タイトル通りだ。QMAに行かなかった。太陽が黄色かったせいだ。 所詮はクイズゲー、行かなくても腕が落ちるわけじゃないが、毎日のように行ってた場所に行かないと何かむずむずする。いつのまにかゲーセンが日常に根を下ろしていたらしい。行かなくてよかっ…

蠅の王 感想

蠅の王 イギリスのノーベル賞作家ゴールディングの代表作。ツイッターでフォロワーに推薦されたので読んでみた。 無人島に漂着した少年たちのサバイバル生活を描くという、冒険小説のひとつの典型なんだけど、、「十五少年漂流記」のような少年向けの明るい…

ハロウィンにブログ始めた

「ブログ始めました~」と、こういうの書くのが大体お決まりのパターンな気がしたから書いてみる や、本当は何も書くことないけどね。あまりに書くことが無いので逆に「このままだと作っただけでこのページ放置だなw」とかそんな感じの危機感を感じたので書…