野菜生活

新鮮お野菜王国のマーチ

思ったこと

テレスクリーンと黄色い調べ 『一九八四年』既訳のまちがいについて

ジョージ・オーウェル『1984年』の第一部七章で、テレスクリーンが唐突に歌い出すシーンがある。作中で「黄色い調べ(Yellow Note )」と呼ばれる音楽で、「一風変わった、耳障りでロバの鳴き声を思わせもする聞き手を馬鹿にしたような音調」(高橋和久訳)…

めだかの学校

英語のなぞなぞのひとつに、 Why are fish smart?(魚はどうして頭がいいの) と問いかけるものがある。答えはBecause they are always in schools.(いつも群れになっているから)で、in schools(群れになっている)を「学校にいる」と掛けている。まあ他…

大工よ、屋根の梁を高く上げよ

短編『フラニー』そして中編『ゾーイー』、50年代半ばに発表されたこの著名な連作は、作者の著作の中でもとくに有名で、両者の間に発表された別のグラース家の物語がしばしば霞んでしまうように思える。短編『大工よ、屋根の梁を高く上げよ(Raise High the …

フラニーやんけ

『ライ麦畑でつかまえて』で一躍脚光を浴びたアメリカの作家、J・D・サリンジャーは、当代随一のハイソな雑誌「ニューヨーカー」にて、高額な原稿料と自由で広い紙面、そして親身な編集長を味方につけ、当時の文壇で随一の勢いを誇っていた。50年代半ば、『…

ダァゴナイ

数日前にTwitterで考えていた、100万年に一度だけ夜が訪れる状況の天体というはややめんどくさい。が、二番の歌詞の100万年に一度だけ太陽が昇る日というのは地球のような惑星でも実現可能だ。めちゃくちゃ深い井戸のような穴を掘って公転周期の100万分の1の…